ハードランディング

  1. ソフトランディングとは、日本語で軟着陸を意味し、本来飛行機が緩やかに地面に降下する意味を表します。これは景気循環にも使われ、好景気が最終段階を迎え調整に入ったとき、成長の速度を少しずつ低下させることを表します。また逆に、下降や減速が激しいさまをハードランディングと言い、ソフトランディングの対義語として使われます。景気は常に循環しているため、急な腰折れによる悪影響を最小限にするため、いかに軟着陸させるかが重要となっています。
  1. ハードランディングとは、景気の急激な失速のこと。元来は航空機が衝撃を伴いながら強行着陸する様子を指す言葉です。転じて、経済や市場を急速に悪化させるような大胆な政策の影響を指すようになりました。反対に景気への影響を緩やかにするような場合は「ソフトランディング」と呼ばれます。
 
今回の利上げ停止と軟着陸の可能性について
インフレ抑制と金融不安沈静化の難しいかじ取りを迫られているFRB(米連邦準備制度理事会)は、5月2~3日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、0.25%の利上げを決める見通しだ。
利上げは今回で打ち止めの可能性が高く、FRBは2023年後半から24年前半にかけて、浅い景気後退になることは覚悟しつつも、過度の引き締めは避けることで、2年程度は物価目標を上回るインフレ率を容認、4%前後の名目成長を維持し、「ハードランディング(深い不況)」は避けることを目指している。
懸念されるのは、預金流出は止まったものの、金融機関の貸し出しが慎重になり、商業用不動産市場に不安が波及したり、労働市場の過熱が収まらなかったりすることだ。